
無線通信の傍受や知りえた秘密を漏えいさせたときの罰則に関する問題です。
これらの秘密の保護に関してはこちらの記事で解説していますので、まずはこちらからご覧ください。

まず設問のAとBは、傍受の禁止を定めた電波法59条に規定されています。
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
設問のAは「特定の相手方に対して行われる無線通信」と「総務省令で定める周波数により行われる無線通信」の選択肢で迷うかもしれませんが、条文どおりの言葉は「特定の相手方に対して行われる無線通信」です。「総務省令で定める周波数により行われる無線通信」は電波法59条には存在しない言い回しで、もっともらしく見せた誤答の選択肢です。
同様にBも条文どおり「存在若しくは内容」が正解です。「内容」だけでは条文の一部を省いてしまっているため誤りです。
罰則に関しては電波法109条に記載されています。
無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、又は窃用したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
無線通信の秘密を保護する義務は全ての人が守らなければなりません。しかし無線通信の業務に従事する人はより重い責任があり、秘密を漏らしたときの罰則が一般の人の2倍となっています。
秘密を漏らしたり、窃用した際の罰則
| 一般の人 | 1年以下の懲役 または 50万以下の罰金 |
| 無線通信の業務に従事する者 | 2年以下の懲役 または 100万以下の罰金 |
設問のCは「無線局の取扱中に係る無線通信」と「無線通信」の選択肢で迷うかもしれませんが、第109条第1項の条文は「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は…」となっており、「無線局の取扱中に係る」という限定が付いています。①のAとは別の条文(第109条)の話であることに注意してください。したがって正解は「無線局の取扱中に係る無線通信」です。
設問のDについては「無線通信の業務に従事する者」と「無線従事者」の違いをしっかりと理解しておく必要があります。
無線設備を操作するには原則として総務大臣の免許を受けた者である必要があり、その免許を持った人を無線従事者と言います。つまり無線従事者とは総合、海上、航空、陸上、アマチュアいずれかの無線技術士(通信士)の資格取得している人になります。
原則は無線従事者しか無線設備を操作できませんが、いくつか例外があります。例えば無線従事者の監督の下で作業する場合は資格がなくても構わない場合があります。このように無線従事者ではなくても無線通信の業務に従事することができる場合があります。電波法では無線従事者に限らず、無線通信の業務に従事する者に重い責任を課しています。したがって正解は「無線通信の業務に従事する者」です。
以上をまとめると、A=特定の相手方に対して行われる無線通信、B=存在若しくは内容、C=無線局の取扱中に係る無線通信、D=無線通信の業務に従事する者となり、この組合せに一致するのは選択肢1です。
答え「1」

