無損失給電線終端の開放・短絡・特性インピーダンス

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出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)

特性インピーダンスの問題です

特性インピーダンスを求める公式あり

結論から言うと、無損失給電線のインピーダンスを求める公式があります
何も考えずにそれに当てはめるだけで大丈夫です

マイナス記号や「j」は無視して、開放時インピーダンス(90)と短絡時のインピーダンス(40)の数字部分を掛け算しましょう

90✕40=3600

そしてこれのルートをとれば答えになります

√3600 = 60

簡単に解説をします
まず、特性インピーダンスですが、交流信号が伝送線路を通るときの電圧と電流の比率が一定になる性質があり、この比率を示す数字が特性インピーダンスと言います。
伝送路は下図のような等価インダクタンスや等価容量を持っていて、それらの値から計算することができます(関係式①)

出典:5G時代の先進ミリ波ディジタル無線実験室[Vol.2 反射の起こらない線路を作る] (zep.co.jp)

ではこの等価インダクタンスと等価容量はどうやって求めてみましょう。
問題文に戻ってみると、開放の時のインピーダンスが -j90[Ω]となっています。
開放端というのは下の図のように、AからBへの経路ので途中でスイッチが開いているイメージになります。インピーダンスというのは電流の流れやすさでもあるのでこのような理想的な伝送路の開放端だと全く電流が流れないので∞になるはずです。

しかし、[ -j90]となっているということは交流では電気がある程度流れていることになります。
これは先ほどでてきた等価容量が存在しこのコンデンサのインピーダンスが 1/C=-j90[Ω] であることを示しています。

では次に短略端についてですが、今度はスイッチが閉じているので電流が流れ放題(インピーダンスが0)になるはずです。

しかしながらこちらも短絡時のインピーダンスが+j40[Ω]となっています。これは今度は等価インダクタンスが見えるためです。この等価インダクタンスが+j40[Ω]ということを示しています。

ここまでで、以下のことが導き出せました以下の2つの値を

等価容量 1/C=-j90[Ω]
等価インダクタンス L=+j40[Ω]

先ほどの特性インピーダンスの公式(関係式①)に入れると答えが導き出せます。

まとめ

公式で一発!

答え 2