出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)
PCMの量子化に関する問題です。量子化というのは簡単に言うとアナログ信号をデジタル化する事で、量子化ビットというのは信号をどこまで細かくデジタル化するのかを表す数字です。
量子化雑音とは何かのイメージをもてれば簡単!
アナログ信号をデジタル化するときの間隔の数が量子化ビットで、例えば「16ビットで量子化」というのは、2の16乗=65,535段階でデジタル化することを意味します。この量子化ビットが大きいほど元のアナログ信号を正確にデジタル化することができます。
では次に量子化雑音を説明します。デジタル化するにはサンプリング周波数といる決まった間隔でデータデジタル化していきます。図でいうと縦線の間隔です。
元のアナログ信号をオレンジ色の波形とすると、サンプリングした青い波形はちょっと元波形と異なりますよね。ではすこし拡大して見てみましょう。
見てわかると思いますが実際の信号をデジタル化するとデジタル信号は決められた値しか取れない(図でいう線の交点上)ので実際の値とデジタル化した値では差分が出てきてしまいます。この差分の事を量子化雑音と言います。
では量子化ビットを増やすとどうなるでしょうか?量子化ビットを1ビット増やすというのは
このように横線が真ん中に一本増えることです、これで情報量が二倍になりより正確に元の信号を表現できることになります。そうすると本当の信号とデジタル信号の誤差は理論的に半分になります。
矢印が誤差の範囲です。1ビット量子化を増やすと誤差は1/2、2ビット増やすとさらに半分の1/4となります。
では問題に戻ると、量子化ビットを1増やした時に信号対量子化雑音比がどう変わるかということですが、信号対量子化雑音比はS/NQと書いてある通り、信号を量子化雑音で割ったものです。量子化ビットを1増やすと量子化雑音は1/2となるので、信号対量子化雑音比は2倍になります。
問題はdBで聞かれていますので変換して、2倍=6dBとなります。
ちなみに量子化ビットを2増やすとS/NQは4倍となり4倍=12dBが正解になります。量子化ビットを変えた場合もよく出題されるので要チェックです!
答え 「1」