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出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成29年7月)
ツェナーダイオードに関する問題です。このようなディスクリート素子は最近あまり使われなくなってるのでなじみが薄いかもしれません。
ツェナーダイオードの代表的な使い方を知れば簡単!
そもそもツェナーダイオードとはどういうもので、どういった使い方をするのか通常のダイオードと比較しながら簡単に説明します。
まず特性についてですが、順方向電圧(VA>VB)を加えた時は電流が流れます。これは通常のダイオードもツェナーダイオードもどちらも同じです。
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次に逆方向電圧(VA<VB)を加えた時は電流は流れません。
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ここまでは両方とも同じです。ここから逆方向電圧をあげていくと通常のダイオードはいくら電圧を上げても電流は流れませんが、ツェナーダイオードはある一定の電圧以上をこえると我慢しきれなくなって電流が流れます。この耐えられなくなる限界の電圧をツェナー電圧(DZ)と言います。
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このようにツェナーダイオードは逆方向の電流が流れるのと、流れ始める電圧が決まっているのが特徴です。逆方向電圧による2つの動作モードには次のような名前がついています。
- 電流が流れないとき=飽和領域
- 電流が流れるとき=降伏領域
次に代表的な使い方を紹介します。主な使い方は定電圧素子としての使い方です。例えば次のような電源と回路の接続があったとして、電源の電圧が変動すると回路にかかる電圧も当然同じように変動しますよね。
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その変動を抑えて一定にしたい時があり、そういう場合にツェナーダイオードを使うことがあります。電源と並列にツェナーダイオードをいれると、電圧がDZより高い時はダイオードに電流がながれるので、回路にはDZに等しい電圧が常に一定にかかることになります。例えば下図のような回路だと電源が9~10Vと変動する場合でも回路にかかる電圧は8V一定になります。
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ただし、この使い方には問題点もあります。実はこのツェナー電圧(DZ)は温度で変わりやすい性質があります。ツェナー電圧は正の温度特性をもっているため、温度が上がるとDZも増えていきます。つまり温度が上がると回路にかかる電圧も高くなってしまいます。
このような問題を解決するために逆の温度特性をもった部品と組み合わせて使うことがあります。8Vの定電圧回路を作るのであれば、DZ=8Vのツェナーダイオードを使うのではなく、DZ=7.4Vと普通のダイオードを組み合わせたりします。通常のダイオードの順方向電圧VFは負の温度特性を持っていて温度が上がるとVFが下がるため相互に補償する関係にあります。
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では問題を見てみましょう。
(1)Dzの定格には、ツェナー電圧、( A )などが規定されている。
これは、これ以上の電流は流してはいけないというリミット=許容電力損失が入ります。これ以上の電流を流すと損失時の熱でダイオードが壊れてしまいます。解説には出てきませんでしたが基本用語ですので覚えてしまってください。
(2)定電圧素子として使用されるは( B )領域である。
耐えきれなくなって電流を流すことで定電圧となるので降伏領域。
(3)シリコンダイオードと直列に接続して( C )特性を改善することができる。
これも解説通りで温度特性です。
ツェナーダイオードは降伏領域で使われるので、使い方と用語をマスターしましょう
答え 「3」