FM波に含まれる側帯波の最大次数

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出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)

FM波の占有周波数帯幅に関する問題です。ベッセル関数とか難しい言葉が出てきますが問題自体は簡単です。

占有周波数帯幅とは何を意味しているのかわかれば簡単

まず占有周波数帯幅について説明したいと思います。占有周波数帯幅とは電波の全電力の99%を含む周波数範囲と定義されています。下図に示すようにスペクトラムの99%にあたる範囲を占有周波数帯幅としています。

次にベッセル関数について簡単に説明します。一言でいうとスペクトラム波形がどのような形であるかを示しています。例えばn2(1)の関数は変調指数が1のFM波の波形、 n2(2)変調指数が2のFM波の波形の形を表しています。
n=0が搬送波を示していてn=1,n=2・・・とnの次数が上がるにつれて広がっていく側帯波を表しています。またベッセル関数の数字は電力の割合を示しており、例えば Jn2(1) のn=0だと0.5855となっていますがこれは搬送波の電力が全体の58.55%あるということを表しています。同じようにn=1、n=2・・・は側帯波のエネルギーを示しており、 Jn2(1) と Jn2(2)の波形は下図のようになります。比べてみるとJn2(1) のほうがスペクトラムが細く占有周波数帯幅が狭い波形となります。

説明が長くなりましたが実際に問題を解いてみましょう。まずこの問題のFM波が Jn2(1) ~ Jn2(4)までのどの波形のことなのかを確認します。先ほど説明したように変調度と対比しているので、まずは変調度を求めます、求め方は下記の式になります。

変調指数=最大周波数偏移/変調信号周波数

この問題では最大周波数偏移=60KHz、変調信号周波数=15kHzなので変調指数は60/15=4です。
変調指数が4なので Jn2(4) のベッセル関数をとなりその波形はこのようになります。

問題で聞かれているのは占有周波数帯幅に含まれるのnの範囲です。まずnが一番大きいところに注目します。 Jn2(4) の場合はn=5です。
繰り返しになりますが、占有周波数帯幅とは電力の99%にあたる部分なので、このn=5の部分の電力が1%よりも少なければ 占有周波数帯幅 の外側にあると言えます。実際にn=5のベッセル関数は0.0174=1.74%です。これが両側にあるので全体の電力の3.48%を占めています。よってn=5は占有周波数帯幅に含まれていると言えます。

簡単な問題の解き方としては、まず変調指数を求めます。そして変調指数のベッセル関数の列の一番下の数字から順番にみて1%(0.005)より大きいところを探します。そこまでが占有周波数帯幅に含まれている次数になります。

まとめ

0.005未満なら占有周波数帯幅の外、0.005以上なら 占有周波数帯幅の中

答え 「5」