PCM の信号対量子化雑音比の改善

出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)

PCMの量子化に関する問題です。量子化というのは簡単に言うとアナログ信号をデジタル化する事で、量子化ビットというのは信号をどこまで細かくデジタル化するのかを表す数字です。

量子化雑音とは何かのイメージをもてれば簡単!

イメージしやすい図と説明をされているサイトがありましたので引用させていただきます。

出典:林 正儀のオーディオ講座 – PHILE WEB

要するに量子化のビット数を増やすと信号を細かくデジタル化できるということです。では次に量子化雑音を説明します。上の図だとアナログ信号を正確にデジタル化しているように見えていますが、実は嘘があります。デジタル化するにはサンプリング周波数と言って決まった間隔でしかデータをとれません。図でいうと縦線の間隔です。ですので本当は次の図のように線の上のポイントでデータ化することになります。

ちょっと元のオレンジの波形と異なりますよね。ではすこし拡大して見てみましょう。

見てわかると思いますが実際の信号をデジタル化するとデジタル信号は決められた値しか取れない(図でいう線の交点上)ので実際の値とデジタル化した値では差分が出てきてしまいます。この差分の事を量子化雑音と言います

では量子化ビットを増やすとどうなるでしょうか?量子化ビットを1ビット増やすというのは

このように横線が真ん中に一本増えることです、これで情報量が二倍になりより正確に元の信号を表現できることになります。そうすると本当の信号とデジタル信号の誤差は理論的に半分になります。

矢印が誤差の範囲です。1ビット量子化を増やすと誤差は1/2、2ビット増やすとさらに半分の1/4となります。

では問題に戻ると、量子化ビットを1増やした時に信号対量子化雑音比がどう変わるかということですが、信号対量子化雑音比はS/NQと書いてある通り、信号を量子化雑音で割ったものです。量子化ビットを1増やすと量子化雑音は1/2となるので、信号対量子化雑音比は2倍になります。
問題はdBで聞かれていますので変換して、2倍=6dBとなります。

ちなみに量子化ビットを2増やすとS/NQは4倍となり4倍=12dBが正解になります。量子化ビットを変えた場合もよく出題されるので要チェックです!

まとめ

量子化ビットを1増やすとS/Nは2倍(6dB)の関係です

答え 「1」

↓ランキングに参加中、よければポチっとお願いします。↓

にほんブログ村 資格ブログへ m(_ _)m

無線工学A
スポンサーリンク
シェアする
ひろーをフォローする
第一級陸上無線技術士への”裏技”