出典:第一級陸上無線技術士国家試験(令和元年7月)
対数周期ダイポールアレーアンテナに関する問題です。聞きなれないかもしれませんが一般的にはログペリアンテナなどど呼ばれます。これも良く出題される問題ですが、覚えることは1つだけです。
問題文にヒントがいっぱいあるので逃さないように!
このアンテナは民家の屋根の上によくある「八木アンテナ」に少し似ていますが原理は全然違います。冒頭にも説明しましたが1つだけ覚えることがあるのでそれについてお話しします。
それは指向性です、このアンテナは単一指向性のアンテナで一方向にしか指向性を持っていません。その方向は下図のようになります。
これは考える部分ではないので、こういうものだと覚えてしまってください。これだけ覚えておけば問題は解けるようになります。
では問題の方を見ていきたいと思います。
(1)は対数周期比τを求める問題ですが、対数周期比が何のことかわからなくても大丈夫です。問題をよく見てください。
xn+1/xn と等しくなるものですが、ここのxn+1とxnとは何でしょうか?これはアンテナ素子間の距離のことで問題の図に示されています。
この図の青いラインがxn+1、赤いラインがxnです。ここで注目してほしいのがxn+1とxnの大きさです。xnの方が大きいのでxn+1/xnは1より小さくなることがわかります。では求める「A」の選択肢を見ると「ln/ln+1」か 「ln+1/ln」 のどちらかですが、これも1よりも小さくなるはずなので大きい方が分母に入ります。どちらが大きい(長い)かは図を見ればすぐにわかりますね。(答え ln+1/ln )
(2)を見ていきましょう。要約すると隣接するダイポールアンテナに、同位相か逆位相のどちらで給電するのかを聞かれています。これも問題の図にヒントが隠れています。
隣接するアンテナ同士を直接つないているのではなくクロスしてつないでいます。同じ位相で給電するならそのままつなげばよいので、クロスしてつなぐということは逆位相ということです。
(3)指向性は先ほど説明した通り覚えてください。この図だと「イ」の方向ですね。そして最後の「D」ですが、アンテナ性能は周波数の※※に対して周期的に小さな変化を繰り返す。の※※に入る言葉を聞かれています。実はこれも問題文に大きなヒントがあります。問題文のはじめの方に、「図に示す対数周期ダイポールアレーアンテナについて・・・」と書いてあります。このアンテナは周波数の対数に対して変化するから、対数周期アンテナと言われるので、当然答えは対数です。
このように、問題文をよく読めば当たり前のように書いてあることが多々あるので問題文も気にしながら読むようにしましょう。