一陸技、二陸技、一陸特、どれを目指すべきか?

無線技術士の資格には等級があり、等級によって扱える無線設備が異なります。また陸上無線技術士の下位資格として陸上特殊無線技術士という資格があり、それぞれの扱える無線設備は主に下記のようになります。

  1. 第一級陸上無線技術士(一陸技):すべての無線設備
  2. 第二級陸上無線技術士(二陸技):テレビ基幹放送局
  3. 第一級陸上特殊無線技術士(一陸特):携帯基地局
  4. 第二級陸上特殊無線技術士(二陸特):警察・消防無線局
  5. 第三級陸上特殊無線技術士(三陸特):タクシー無線局、ローカル5G基地局

試験の難易度は上から順に高いので当然、一陸技が最難関資格になります。
しかしながらこの中で取るべき資格は断然「一陸技」がお勧めです。

その理由を説明します。まず、一般的なニーズを考慮すると、テレビの基幹放送局は数が多くありません。携帯基地局の数は圧倒的に多く、今後はローカル5G基地局の増加も予想されます。

実務的に考えると、第一級陸上特殊無線技術士(一陸特)の資格を持っていればほとんどの場合、十分です。しかし、一陸特では無線資格取得によるメリットの大部分を享受することはできません
一陸技のメリットについては以下の記事で詳しく説明しています。

その理由は、一陸特、二陸特、三陸特が試験に合格する以外にも養成課程制度があり、特定の講習を受ければ誰でも取得できるからです。これは自動車免許と似ており、試験場での試験は難しいですが、教習所に通えばほとんど誰でも免許を取得できます。しかも、養成課程は比較的緩く、真剣に勉強しなくても合格することが可能です。

そのため、一陸特を持っていることが企業にとって魅力的に映るとは限りません。資格を持っていても無線技術の知識があるとは限らないし、業務上必要であれば採用後に簡単に取得させることも可能です。自動車免許が採用や昇給にほとんど影響しないのと同様です。

就職や収入アップに有利なのは、取得が難しい第一級陸上無線技術士(一陸技)か第二級陸上無線技術士(二陸技)です。この二つの中で選ぶなら、社会的評価が高い一陸技を目指すのが良いでしょう。問題の難易度は一陸技の方が高いですが、暗記や裏技を駆使すると、必要な勉強時間に大きな差はありません。そのため、一陸技を受験する方が得策です。

迷っているなら頑張って一陸技を取得しましょう!