出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成29年7月)
トランジスタのエミッタ接地の問題です。この問題は頻出問題で出題確率は50%程度と高いので確実に取れるようにしたいです。解法はワンパターンで計算も簡単なのでこの機会にマスターしてください。
ベース電流とコレクタ電流の関係を理解しよう!
この問題では、コレクタ電流ICを2mAの時、ベース電流IBと抵抗RBはいくつになるかという事を聞いています。
まず、コレクタ電流とベース電流の関係を整理したいと思います。それぞれ下の図に示す部分を流れる電流ですが、その関係には明確なルールがあります。
それは、電流増幅率hfeを使って、IC=IB✕hfe で表すことができます。
本問題ではICが2mAなので、IBとICの関係は先ほどの式より
IC=IB✕hfe ⇔ IB=Ic/hfe
となるので、IB=2/200=0.01mA(=10uA) となります。
IBがわかりましたので、次はRBを求めていきます。
RBに流れる電流がIBだとわかっているのであとはRBにかかる電圧(下の図の赤●と青●の電位差)がわかればオームの法則より求めることができます。
赤●と青●のそれぞれの電圧を求めていきましょう。
まずは簡単な青●ですが、ベースエミッタ間電圧VBE=0.6Vと問題に書かれているので青●部分は0.6Vとなります。
次に赤●についてですが、まずRCに流れる電流を考えるとここにはIC+IBの電流が流れます。
しかし、ICに比べてIBは非常に小さいので(IC+IB)≒ICと省略して考えます。
こう考えるとRCには2mAが流れるので、RCでの電圧降下は2[kΩ]✕2[mA]=4Vとなります。
もともと電源から8Vの電圧が供給されRCで4V電圧降下するので赤●の電圧は、8-4=4Vです。
よってRBにかかる電圧は(赤●-青●)=4-0.6=3.4V となります。
RBの両端の電圧は3.4V、RBに流れる電流は先ほどの計算より、0.01mAとなるのでオームの法則をつかってRB=VRB/IB=3.4/0.01=340kΩ と求まります。
答え「3」