出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成27年7月)
電圧計や電流計の使い方に関する問題です。
定格電圧と定格電流を求めることが正解への近道!
電圧計や電流計には、定格電圧と定格電流というものがあります。
- 定格電圧 これ以上の電圧をかけると壊れてしまう電圧
- 定格電流 これ以上の電流を流すと壊れてしまう電流
問題では測定できる最大値を問われていますが、要は壊れない範囲でどこまで使えますか?ということなので定格電圧や定格電流がわかれば答えがわかります。
では問題を見てみましょう。
電圧計V1と電圧計V2の2つの電圧計があります。それぞれの定格電圧はいくつでしょうか?
定格電圧とは明記していませんが、最大目盛値としてそれぞれ30Vと100Vと書かれています。最大目盛値は、これ以下の電圧なら測定できますよ!という値です。言い換えると「これ以上の電圧は測定できません」=「壊れてしまいます」という事を表しているので定格電圧は最大目盛値と同じになります。
よって電圧計V1の定格電圧が30V、電圧計V2は100Vです。
では、それを2つ繋げたので30V+100Vで答えは130Vと考えるのは間違えです。引っ掛け問題に完全に引っかかっています。電圧計を2つ繋げたa-bに130Vをかけると、それぞれの電圧計にかかる電圧は内部抵抗で分圧されるので、電圧計V1には17V、電圧計V2には113Vがかかり電圧計V2は壊れてしまいます。
直列に並べたときは電圧は分圧されるので直感的にはわかりにくくなります。このような問題は電流で考えるほうが簡単です。直列に並べているのでV1とV2に流れる電流は同じになります。
では電圧計V1と電圧計V2のそれぞれの定格電流はいくつでしょうか?定格電流についても何も記載はありませんが、実は定格電流も定格電圧から求めることができます。
電圧計V1だけで考えてみると、定格電圧は30Vなのでこの電圧計に30Vをかけた時に流れる電流はオームの法則より I=V/R
(流れる電流値)=(最大電圧目盛値)/(内部抵抗)から計算できます。
電圧計V1の定格電流=30V/30kΩ=1mA
同じようにV2の定格電流を求めると
電圧計V2の定格電流=100V/200kΩ=0.5mA
になります。先ほども言ったように、二つの電圧計には同じ電流が流れるのでどちらかが壊れないためには、少ない方の0.5mAが流せる最大の電流になります。
この0.5mAが流れる時に最大何Vまで測定できるかというと、これもオームの法則より V=I✕R なのでそれぞれの電圧計で測れる最大の電圧は
電圧計V1では 0.5mA ✕ 30kΩ=15V
電圧計V2では 0.5mA ✕ 200kΩ=100V
となります、a-b間で測定できる電圧はこれらを足して115Vが答えとなります
答え 「2」