秘密の保護

出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成26年7月)

無線通信では機密情報や個人情報のやりとりに使用されることが多く、その通信を傍受に関しては電波法59条で禁止されています。また罰則に関しては電波法109条に記されています。

電波法 第59条(秘密の保護)

何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

短い文章ですが、禁止されている事について3つのポイントをしっかり押さえる必要があります。

  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • How(どのように)

まずWhoですが、59条では「何人も」と記載されていて、無線従事者や免許人に限らず全ての人が対象となります。これは車の免許を持っていない人も交通法を守らなければいけないのと同じことです。

次にWhatは「特定の相手方に対して行われる無線通信」と記載されています。ポイントは特定の相手方に対して行われる通信というところで、不特定の人に送るテレビやラジオ放送や防災無線などは対象になりません。

最後にHowは「傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。」との記載があり、傍受した情報を漏らしたり悪用すると罪にはなります。逆に言うと傍受するだけでは罪にはなりません。

Who何人も
無線通信の業務に従事する何人
What特定の相手方に対して行われる無線通信
いかなる無線通信、暗語によるもの、総務省令で定める電波を使用する
How傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない
傍受してはならない

秘密の保護に関してはその罰則についても出題されることが多いので、次の記事で紹介します。

正解「4」