出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)
双ループアンテナに関する問題で出題頻度が高いです。双ループアンテナとは複数のループアンテナを逆向きに配置したものです。問題の図のように上下に配置すると、高周波電流の垂直成分が打ち消され、水平偏波アンテナとして動作します。また反射板をつけると、反射板と反対方向の利得が増加します。
出題内容は毎回同じ問題なので、ポイントだけ押さえる!
この問題は過去に何度も出題されていますが、アレンジされることなく全く同じ問題が出題されています。そのため、覚えるポイントが決まっているのでその部分を説明します。覚えるポイントは2つです。
1.ループアンテナと波長の関係
冒頭でも少し説明しましたが、この双ループアンテナと言うのは一つ一つ独立したループアンテナを2つ並べています。2つのループで1つのアンテナを作っているわけではありません。ループアンテナはエレメント長を1波長とする必要があるので、双ループアンテナのそれぞれのループも1波長ずつの円周となります。
ループアンテナの円周の長さ = それぞれ1波長ずつ
2.指向性
双ループアンテナの指向性ですが、この問題の構造ではエレメントの裏側に反射板を置いています。そのためそちら方向には電波は飛はず、ループの円が見えている1方向に強い指向性を持っています。
では、問題にある「反射板付き4ダイポールアンテナ」と「スーパーターンスタイルアンテナ」のどちらと等価でしょうか?
「反射板付き4ダイポールアンテナ」 とは設問にある双ループアンテナと似たような構造で、ループアンテナの代わりにダイポールアンテナを配置しているもので、反射板とは反対方向に強い指向性を持っています。一方 「スーパーターンスタイルアンテナ」 とは、東京タワーのてっぺんにあるようなアンテナで、周囲360°方向に指向性を持っています。
実際に、 「反射板付き4ダイポールアンテナ」 と 「スーパーターンスタイルアンテナ」 の指向性はこのようになります。
反射板付き4ダイポールアンテナの指向性は単一指向性、スーパーターンスタイルアンテナは無指向性と言われます。反射板付き双ループアンテナも単一指向性なので、上の図のイメージごと覚えてしまってください。
ちなみに設問にでている8字特性とは
このような形の指向性のことを言います。もし反射板がなければこのような指向性になります。
指向性:反射板付き4ダイポールアンテナと等価で単一指向性
答え「4」