![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/157d8ed095e6ae78adf1886c0293b8df.png)
出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)
直流電源が2つある回路で、負荷抵抗の消費電力を最大にする条件を求める問題です。
数値を変えて良く出題されるので確実に正解できるようにしておきたい問題です。
ただ、一発で答えのわかるような裏技がありませんので、正攻法で解いていきましょう!計算自体は難しくないので、覚えてしまえば大丈夫です。
問題を解くには「ノートンの定理」で!
この問題はノートンの定理を使って解いていきますが「ノートンの定理」ってなに?って方も多いと思いますのまずはそちらを説明していきます。
ノートンの定理とは
線形二端子回路の短絡電流が Is であり、内部抵抗が Ri であるとき、その回路は出力電流が Is の電流源と抵抗Ri の並列回路と等価である。
言葉だけだとちょっと何を言っているかわからないですね。図で説明しますと「線形に端子回路の短略電流Is」というのは
![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/97cde1f31fbbb650efa9ec2c4a44518a-1.png)
このように、ある回路を短絡したときに流れる電流のことです。
この問題では次のように考えます。
![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/c4b21cedb82bb35a728a5385bc987748.png)
このときのIsは、V1とR1の部分についてはV1=18V、R1=3Ωなのでオームの法則より18/3=6[A]です。同じようにV2とR2の部分は12/6=2[A]となり、Isはこの2つを足した電流なのでIs=6+2=8[A]となります。
次に「内部抵抗が Ri 」については同じ二端子回路で
![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/cb4efc12f4d63cccbfd70f541d629374-1.png)
この図のようにR1とR2の合成抵抗の事を言います。
この2つの抵抗の合成抵抗はおなじみの並列抵抗の合成抵抗の公式
![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/1ea8d7188fd3fcbff1f191e203f17c83.png)
を用いて、Ri=(3✕6)/(3+6)=2[Ω]となります
ここまで、Is=8A Ri=2Ω を求めることができました。では、「Is の電流源と抵抗Ri の並列回路と等価」というのは
![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/15b4eba751fb0829b0de49e9d2d8cc91-800x273.png)
元の回路が右のように置き換えることができるということになります。ここまでがノートンの定理の説明になります。
ではこの置き換えた回路で問題に戻ってみると
![](https://rikugi.com/wp-content/uploads/2021/05/d112b10a1c5d901adaac29c33b0fec88.png)
電流源と抵抗2つのシンプルな回路になります。この時にRを可変させてRで消費する電力が最大となる条件というのは、Ri=Rの時になります。これはインピーダンスマッチングと言われていますが、詳しく解説されているサイト様などがありますので、ここでは割愛しますが抵抗値が同じというところを覚えておいてください。
では実際にIs=8A、Ri=R=2Ωとして計算すると、RiとRには同じ電流が流れるはずなのでそれぞれ4A流れます。この時にRで消費する電力は、I2R=42✕2=32
電力の求めかた!
電力(W)=電圧(V)✕電流(I) で求められるがオームの法則よりV=IRが成り立つので上記式に代入するとW=I2Rで求めることができます
ノートンの定理から等価回路が求められるように覚えてしまいましょう!
答え「5」