人工衛星局の位置の維持

出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成30年7月)

人工衛星局に関して、2パターンの問題がありますがそのうちの2つ目のパターンです。
頻出の問題はこちらの記事で紹介していますので先にこちらを見てください。

前回の記事で、対地静止衛星の位置について緯度と経度がどれくらい動かせるのかを解説しましたがそのおさらいになります。関連法規は同じく電波法施行規則32条の4です。

電波法施行規則 第32条の4(人工衛星局の位置の維持)

対地静止衛星に開設する人工衛星局(実験試験局を除く。)であつて、固定地点の地球局相互間の無線通信の中継を行うものは、公称されている位置から経度の(±)〇・一度以内にその位置を維持することができるものでなければならない。

 対地静止衛星に開設する人工衛星局(一般公衆によって直接受信されるための無線電話、テレビジョン、データ伝送又はファクシミリによる無線通信業務を行うことを目的とするものに限る。)は、公称されている位置から緯度及び経度のそれぞれ(±)〇・一度以内にその位置を維持することができるものでなければならない。

 対地静止衛星に開設する人工衛星局であつて、前二項の人工衛星局以外のものは、公称されている位置から経度の(±)〇・五度以内にその位置を維持することができるものでなければならない。

対地静止衛星は赤道上を周回させなければならないので緯度はほとんど動かせないというお話をしましたが、本問題では衛星の精度の数字が具体的に聞かれています。
通信の重要度によって衛星の位置精度が決められており、電波法施行規則では重要な順番に記載されており、下図のように重要な通信ほど、衛星の位置が細かく決められています。

設問では決められたパターンしか出ないのでこれだけ覚えてしまってください。

重要な順に記載されているので衛星の精度はB<Cの関係になることを覚えましょう。
A:0.1 B:0.1 C:0.5

答え「1」