無線局は免許で許可された電波を用いて運用されなければなりません。その電波が規定に適合していないと判断された場合、総務大臣は臨時にその電波の発射の停止を命じることができます。この規定は電波法の第28条および第72条によって定められています。
電波法 第28条(電波の質)
送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。
電波法 第72条(電波の発射の停止)
総務大臣は、無線局の発射する電波の質が第二十八条の総務省令で定めるものに適合していないと認めるときは、当該無線局に対して臨時に電波の発射の停止を命ずることができる。
2 総務大臣は、前項の命令を受けた無線局からその発射する電波の質が第二十八条の総務省令の定めるものに適合するに至った旨の申出を受けたときは、その無線局に電波を試験的に発射させなければならない。
3 総務大臣は、前項の規定により発射する電波の質が第二十八条の総務省令で定めるものに適合しているときは、直ちに第一項の停止を解除しなければならない。
要約すると
総務大臣は、無線局の発射する電波の質が規定の基準に適合していない場合、一時的にその発射を停止させることができます。無線局が基準への適合を申告した際は、総務大臣は試験的な発射を許可し、その結果基準に適合していると判断されれば、発射停止を解除します。
電波の質に関する基準は無線設備規則の第二節で明記されており、以下の3つの項目が含まれます。
- 電波の周波数
- 占有周波数帯域幅
- スプリアス発射、不要輻射
無線設備規則 第二節 電波の質
第五条 (周波数の許容偏差)送信設備に使用する電波の周波数の許容偏差は、別表第一号に定めるとおりとする。
第六条 (占有周波数帯幅の許容値)発射電波に許容される占有周波数帯幅の値は、別表第二号に定めるとおりとする。
第七条 (スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値)スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値は、別表第三号に定めるとおりとする。
それぞれの内容については別記事で詳しく説明しています。
電波の発射停止判定に関する問題文には、1:電波の周波数、2:空中線電力、3:占有周波数帯域幅、4:スプリアスまたは不要輻射が挙げられていますが、これらの中で電波の質に含まれないのは空中線電力です。
答え「2」