第一級陸上無線技術士のメリット

第一級陸上無線技術士の資格取得は大変ですが、取得することによるメリットも大きいです。そのメリットについて説明したいと思います。

第一級陸上無線技術士(一陸技)のメリットは次の4つ

  1. 就職に有利
  2. 収入アップ
  3. 教職への転身
  4. 独立も可能

1.就職に有利
一番のメリットは就職に有利になるという点です。一陸技の資格が必要となる仕事としては、テレビやラジオの放送局、電気通信事業者、公官庁などがあります。このような事業者は有資格者がいないと業務を行えないため、定期的に陸上無線技術者を採用しています。
その他にも、一陸技資格が直接必要になるわけではありませんが資格が無線に関する知識や技術の証となるため、通信機メーカー、計測器メーカ―、登録認証機関などへ就職する際も採用に有利になります。
さらに、今後はローカル5Gが普及していくことが予想されますが、その基地局の運用・操作には第三級陸上特殊無線技術士以上(三陸特)の無線技術者が必要になるため需要が高まってくると考えられます。一陸技は三陸特に比べると難易度もかなり難しくオーバースペックになりますが、採用する側の企業からすると一陸技と三陸特の二人がいたらどちらを採りたいかというと・・・想像できますよね。

このように無線技術士の活躍の場は意外と広いので、学生さんや転職を考えている方にはお勧めな資格になります。

2.収入アップ
先ほど就職に有利とお伝えしましたが、陸上無線技術士の活躍できる企業は大手企業(またはその系列会社)が多いので、お給料もそれなりに高いところが多いです。一例をあげると
放送局:日本テレビ、フジテレビ、TBSテレビ
電気通信事業者:NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル
公官庁:国土交通省、気象庁、警察庁
通信機メーカー:NEC、シャープ、三菱電機、日本無線、ソニーエリクソン
計測器メーカー:キーサイト、アンリツ、岩崎通信機
登録認証機関:ULジャパン、ディーエスピーリサーチ
などほんとに一例ですが有名な大企業がたくさんあります。
また、すべての会社ではありませんが陸上無線技術士の資格を持っていると資格手当がもらえる会社もあります。例えば中部電子システムという企業では一陸技を持っていると月に2万円の資格手当が出ます。仮に35年間勤続すると総額840万円もらえます。これってすごくないですか?資格を持っているだけで840万円得られると言うことは、例えば資格取得に100時間費やしたとしてもその時間は時給8万4000円の価値があるということです。

それだけの価値を認めてくれる企業がある資格なので、がんばって取得し自身の価値をアップさせれば収入にも反映されてきます。

3.教職への転身
一般的に教職に就くには、大学の教職過程を経て教員免許を取得する必要があります。教職課程では教育実習が必須で、多くの時間や労力が必要になるため教職課程を受けていない人が大多数だと思います。
しかし、一陸技を取得すると教職課程を受けていなくても中/高の助教諭の臨時免許が取得できます。また無線従事者として3年以上の実務経験を積むと教員免許(中学校二種免許「職業」、高等一種免許「工業」)の取得が可能です。

教職課程を受けずに大学を卒業してしまった人も、教師を目指すことが可能になります。

4.独立も可能
難関資格を持っているということで、スキルを認めてもらいフリーのエンジニアとして働くこともできますが、資格を活用して登録検査等事業者として個人でも開業する事ができます。
無線設備を動かすには性能に問題ないことを定期的に検査する必要があり、その検査をすることができるのが登録検査等事業者になります。登録検査等事業者には無線技術士の資格を持った上で実務経験を積む必要があるので、企業に就職して実務経験を積んだのちに独立開業するのが良いです。

今後ローカル5GやIoTの発展により無線設備が増えてくると、登録検査等事業者の需要も高まってくると考えられます。

以上のように資格取得によるメリットは非常に大きいので、ぜひ取得を目指して頑張ってください!