測定器等の較正

出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成26年1月)

測定器等の較正に関する問題です。出題される割合はあまり多くありませんが、覚えるところが少なく非常に簡単なので落とさないようにしましょう。

無線設備の点検において、正確な測定結果が必要です。そのため、測定器の値が正しいかどうかを確認する作業を較正と言います。較正作業では、測定器を測定するための別の測定器が使用されます。しかし、この測定器自体の正確さについて疑問が生じることがあります。

確実に値が正しいことが証明されている、国際または国家標準計器というものがあり。これらを使用して較正すれば正しい値という事を証明することができます。しかしながら、標準計器は世の中に1台(もしくは非常に少ない台数)しか存在しないため、現実的には全ての測定器を標準計器で較正することは不可能です。そのため、標準計器で較正された測定器も、同等の正確さを持つとみなされています。そして、それらの測定器でさらに較正を行ったものも同様に正確とされます。下図のように標準計器からの経路がトレーサビリティできる物のみが正確な測定器として認められるため、較正を行う機関や使用できる測定器には厳しい条件があります。

前置きは長くなりましたが問題の解説に入ります。
較正に関する決まりは電波法102条の18に記載されていて全文は次のようになります。

第百二条の十八

無線設備の点検に用いる測定器その他の設備であつて総務省令で定めるもの(以下この条において「測定器等」という。)の較正は、機構がこれを行うほか、総務大臣は、その指定する者(以下「指定較正機関」という。)にこれを行わせることができる。
2 指定較正機関の指定は、前項の較正を行おうとする者の申請により行う。
3 機構又は指定較正機関は、第一項の較正を行つたときは、総務省令で定めるところにより、その測定器等に較正をした旨の表示を付するものとする。
4 機構又は指定較正機関による較正を受けた測定器等以外の測定器等には、前項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
5 総務大臣は、第二項の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、指定較正機関の指定をしてはならない。

この中で出題される可能性が高いのは下線を引いたところになるので正答・間違いのパターンを覚えてしまってください。

総務大臣は行わせることができる
行わせるものとする
較正を行ったときは較正をした旨の表示を付する
較正をした旨の表示を付するとともにこれを公示する
較正を受けてなければ較正をした旨の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない
較正をした旨の表示を付してはならない

問題年度によっては他の部分も問われることはありますが、以上の3点だけ知っておけば選択肢から正解が導き出せるます。

まとめ

次の要点を覚えましょう。

  • 較正を総務省はその指定する者に「行わせることができる
  • 較正を受けた測定器は「較正をした旨の表示」を付する
  • 較正を受けた測定器以外は「校正を受けた表示又はこれと紛らわしい表示」を付してはいけない

答え 「2」