このサイトでは第一級陸上無線技術士の取得を目指していますが、他の無線資格と迷っている方も多いと思うので違いについて整理したいと思います。
無線資格の誤解しやすい2つのポイント
- 総合が陸上・海上・航空をすべてカバーするわけではない
- 無線技術士と無線通信士の2つの種類があるが全くの別物
無線資格について少し調べると、総合、陸上、海上、航空それぞれの名前がついた無線資格があることがわかります。このように4種類あると「総合」を取得すれば、陸上、海上、航空のすべてを包括するような気がしますが実は違います。
体系的に理解するには無線技術士と無線通信士という2つの資格があることを知る必要があります。
それぞれの資格は次のようにできることが異なっています
- 無線技術士:無線設備の技術操作
- 無線通信士:無線設備の通信操作
技術操作と通信操作の違いは?というと非常に複雑なのですが、超簡単にイメージだけを説明すると例えばスマートフォンという無線設備があったとします。そのスマホの電波の出力や周波数が正しく出るように操作するのが技術操作、スマホのアプリ(通話アプリやLINE)をつかって通信したい相手と正しく通信する操作が通信操作になります。
無線技術士は陸上無線技術士しかなく、第一級>第二級>・・・と上位資格になるほど扱える範囲が増え第一級陸上無線技術士は国内のすべての無線設備の技術操作ができる資格となります。
一方、無線通信士には総合、海上、航空と3種類あり総合無線通信士は海上、航空の上位に位置しています。それにプラスして第一級、第二級と等級もあります。
では、無線技術士と無線通信士のどちらが良いのでしょうか。
まず無線通信士は先ほどの例の通りアプリケーション(用途)に特化した資格なので、例えば航空管制官には航空無線通信士、船舶の無線士には海上無線通信士の資格が必要になります。このような特定の職業では必要な資格ですが、そうでない人には全く無用なものになります。
一方、無線技術士は特定の用途ではなく全ての無線設備の技術操作が行えるので活躍の場所が多くあります。また無線通信士よりも高度な無線工学の知識が必要になるので無線のエンジニアとしても通信士よりも上位に扱われます。
よって、管制官や海上無線に従事することが決まっている人や目指している人でなければ、汎用性が高い陸上無線技術士を取ることをお勧めします。
陸上無線技術士にも一級、二級、一級特殊など等級がありますが一陸技が一番お勧めです。
その理由はこちらの記事で解説します。