抵抗又はその消費電力の測定誤差、誤差率

出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成28年1月)

測定の誤差に関する問題です。正確に測定することは重要ですが、業務などで測定する場合はこんな不確定要素が多い測定系は使うことはないと思うので、問題は簡単な代替計算でチャッチャと解いてしまいましょう!

抵抗値を求めるのではなく電流に注目しよう!

まず、何を求めるのか整理してみると電流計と電圧計を用いて未知の抵抗Rxを求めようとしています。
またその未知抵抗Rxはこの測定系だと誤差を生じるとのことで、その誤差率がいくつかなのかを問われています。

計算で正確なRxは出せるのですが、解説を見た方はお分かりだと思いますが計算が意外と大変です。
ここでは発想を変えて、抵抗Rxに流れる電流値を調べることで問題を解く方法を説明します。

最初のステップとして電流計を信じてRxに流れる電流を考えると電流計が36mAを示しているので抵抗Rxに流れる電流も36mAですよね。これが普通の考え方なのですが、問題ではこの測定系では誤差があると言っています。何が誤差の原因かと言うと実は電圧計の中も電流が少し流れてしまいます。それぞれの場合を図で示すと次のようになります。

電圧計にいくつかの電流が流れるため、Rxに流れる電流は少し少なくなるというのが誤差を考えた場合です。では、電流計に流れる電流はいくつかと言うと電圧は12Vで、電圧計の内部抵抗は2kΩと記載されてるので、オームの法則をつかうとR=V/Iより、R=12÷2=6mA となります。

ここまでの結果を整理すると抵抗Rxに36mA流れると思っていたけど、実際には6mA少ないことがわかりました。この6mAを誤差と考えます。では誤差率はいくつかと次の式で表せます。

誤差率=誤差/測定値

ここで誤差は6mAで、測定値は36mAの事になります。これを計算すると6÷36=0.166・・・・

この数字と選択肢を見比べてみるとそれっぽい答えが見つかりますね。
0.1666・・≒0.167=16.7%

まとめ

誤差の原因となる電圧計に流れる電流を求めれば簡単です。

答え 4