秘密の漏洩、窃用

出典:第一級陸上無線技術士国家試験(平成29年1月)

無線通信の傍受や知りえた秘密を漏えいさせたときの罰則に関する問題です。
これらの秘密の保護に関してはこちらの記事で解説していますので、まずはこちらからご覧ください。

罰則に関しては電波法109条に記載されています。

電波法 第109条

無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、又は窃用したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

無線通信の秘密を保護する義務は全ての人が守らなければなりません。しかし無線通信の業務に従事する人はより重い責任があり、秘密を漏らしたときの罰則が一般の人の2倍となっています。

秘密を漏らしたり、窃用した際の罰則

一般の人1年以下の懲役 または 50万以下の罰金
無線通信の業務に従事する者2年以下の懲役 または 100万以下の罰金

設問のCは「無線通信の取扱中に係る無線通信」と「無線通信」の選択肢で迷うかもしれませんが、対象が何人もという事なので、無線通信を取扱っていようがいまいが、秘密を知りえたら漏らしてはいけないので「無線通信」が正解です。

設問のDについては「無線通信の業務に従事する者」と「無線従事者」の違いをしっかりと理解しておく必要があります。
無線設備を操作するには原則として総務大臣の免許を受けた者である必要があり、その免許を持った人を無線従事者と言います。つまり無線従事者とは総合、海上、航空、陸上、アマチュアいずれかの無線技術士(通信士)の資格取得している人になります。

原則は無線従事者しか無線設備を操作できませんが、いくつか例外があります。例えば無線従事者の監督の下で作業する場合は資格がなくても構わない場合があります。このように無線従事者ではなくても無線通信の業務に従事することができる場合があります。電波法では無線従事者に限らず、無線通信の業務に従事する者に重い責任を課しています。

答え「3」